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飛び交うSlackのお祝いスタンプ。ひとりで STORES 予約 のアプリをリニューアルするまで

STORES 予約 のモバイルアプリをフルリニューアルする。そんなミッションを遂行するためにheyに入社し、ほぼひとりでリリースに漕ぎ着けた吉田 圭佑(よしだ・けいすけ)さん。モバイルチームのマネージャーが、リリースまでのお話を聞きます。

注)記事内の写真は、撮影時のみマスクをはずし撮影したものです。

聞き手:坂田 晃一

「データのため」じゃないサービスづくり

──最初に、吉田さんが STORES 予約にジョインするまでの話をしておきましょうか。STORES 予約 にはもともとアプリがありましたが、その開発が止まって誰もメンテナンスできていない状態だったんですよね。それをリニューアルするポジションとして吉田さんが入られた、と。

そうです。なので、ほぼひとりで STORES 予約 のアプリのリニューアルを行いました。

──リニューアル、本当にお疲れ様でした。リリースの話はのちほど伺うとして、STORES 予約にジョインするまでのキャリアについてもお話しいただけるでしょうか。

もともと、大手通信キャリアの社内ベンチャーで働いていました。学生の頃から起業やスタートアップに興味があり、友人の起業に携わったり、インターンやビジコンに参加したりしていました。そのなかのひとつの会社に、インターンの縁から新卒で入社したんです。それが前職です。

──そこではどんな仕事をしていたんですか?

その会社はユーザーの位置情報データを提供しているアプリやサービスから取得してビジネスにするという会社でした。ニュースなどで使われている人流情報などはその会社が提供しているものなんですよ。位置情報データは歩数計アプリなどを通じて収集していました。僕の仕事はそのアプリやサービスを企画から作り、リリースすることでした。

──なかなか面白そうな仕事ですよね。大企業で安定しているという魅力もあるのにどうして転職しようと思ったのでしょうか。

企画のアイディア出しの段階から一貫して「データをとるため」という前提がついていることに違和感を憶えるようになったからです。効率よく位置データがとれる、なるべく位置情報を許諾してくれそうなアプリを、といった具合に、全てを「データをとるため」の発想にする必要がありました。ユーザーが増えはじめて、ユーザーが喜びそうな機能を追加したくても「それでどのくらいとれるデータが増えるか」で検討しなければならない場面が多くて。

──では、転職する時の軸はユーザーを大事にできること、だったのでしょうか?

そうです。ユーザーに対してしっかり価値を提供している会社に行きたいというのが大きな軸の一つでした。そのなかでもheyは、はたらく人みんなが「オーナーさんにとって何がいいか」を中心に据えて意思決定していることがよくわかりました。また、自分がやれることと求められていることが一致しているというのも大きかったです。

──ということは、ひとりでアプリをリニューアルすることにはある程度いけそうだという目論見があったんですね。

そうですね。ポジションについてはかなり詳細に実際のところを話していただいていたので仕事もイメージできました。モバイルアプリを担当するエンジニアが現状いないこと、さまざまなチームと横の連携をしながらリニューアルをまかせてもらえること。ある程度の大変さは想定していましたが、それ以上に挑戦できる環境にわくわくしていました。それに、heyの目指しているところにも共感するところがあって。

──どんなところだったのでしょう。

地方出身だということもあり、いいお店がうまくデジタル化できないでいる課題を間近で見ていたので、heyが解決する課題にリアリティを感じていたんです。それに、オーナーさんが売り上げを作ってはじめて自分たちにもお金が入ってくるというビジネスモデルに誠実さを感じました。

ピンチを支えた「切り札を持っている」という感覚

──ある程度の大変さは想定していたということですが、実際に入社してみていかがでしたか?

入社当初は一緒にこのプロジェクトをやるメンバーがいたので、「いけそうだな」と思っていました。もともとフルスクラッチでリニューアルをしなければならないことはわかっていたので、ギャップを感じることもありませんでした。

──アプリを作る時の技術選定はどうやったのですか?

PdMの方に相談しながら、自分の意見も出しました。STORES 予約 でメンテナンスができない状態になってしまっていたアプリは4つありました。オーナーさん向けと予約するユーザー向けのアプリがあり、それぞれのiOSアプリとAndroidアプリです。入社する前にその話を聞いたときは、ひとつのコードでiOSにもAndroidにも対応できるFlutterがいいのではないかと思っていましたが、今後の STORES プラットフォームの構想を知り、他のアプリと混ざりやすいようにネイティブで作ることを決めました。

──この技術選定のエピソードもそうですが、他のサービスやチームと連携しながら作ることが難関という感じがします。

一番大変だったのは情報のキャッチアップと、アプリをリニューアルするチームができたことをいかに他のチームに馴染ませていくかでした。デザインやバックエンドを手がけるチームや定例に、これまでになかった「アプリのリニューアル」というアジェンダを追加してもらって、いかに振り向いてもらうかにかなり労力を割きました。

──マネージャーの僕から見ると、吉田さんはそういうところがとても丁寧なんですよね。僕はリソースの面で直接手伝うことができないことがわかっていたものの、「これは最後までゴールできそうだな」と思いながら見守っていました。

はじめの頃は誰に何を相談すればいいかもわかりませんでした。さらにタスクもだんだん溜まっていって辛い時期がありました。無理やり時間をかけて解決することもできましたが、迷ったらこの分野はこの人に聞けばいい、という相談先をなるべく多く作っておくことを意識していました。デザインに迷ったらこの人、バックエンドに迷ったらこの人、といったように相談する人を作ることで、即席アプリチームを作るようなイメージです。それでも、アプリに対して知見がある人は自分しかいないので、正しい方向にちゃんと向かっているのだろうかという不安は常にありました。レビューをしてくれる人がいない時などは相談させてもらいましたよね。

──相談してもらったの、嬉しかったです。もともとアプリのリニューアルをほぼひとりで行うということに同意して入社してくれたこともあり、「開発は任せる、相談はいつでも」というスタンスだったので。それに、本当に遅れが出てきてしまったら僕が出て行こうと思っていたけれど、そんな幕はなかったですね。

「相談はいつでも」と言っていただいていたことで、困った時の最後の切り札を持っている感覚がありました。自分が突っ張ることでプロジェクトに遅れが出てしまうくらいなら、そのときはプライドを捨てて坂田さんに相談しようと思っていたから、ぎりぎりまで自分を奮い立たせることができたというか。

──そういうところ、根性あるなって感じていました(笑)。それに、そういう人の頼り方ってとても誠実だと思うんですよね。頼られる側も嬉しい。

クオリティへのこだわりとスケジュール

──リニューアルのなかで一番大変だった時をあげるとしたら、いつですか?

一緒にこのプロジェクトを進めていたメンバーが退職してしまい一人になったことと、細かい調整が重なってスケジュールがじわじわと延び始めてきた時ですね。こだわりたい気持ちは僕にもあったけれど、それを全て直していたら際限なく時間がかかってしまう。このときは、坂田さんに助けを求めたと思います。

──吉田さんしかこのプロジェクトに関わっている人がいなかったので、吉田さん対みんな、という対立構造を作らないためにも僕が入って一緒にスケジュールを切りましたね。

アプリはその後にリニューアルすることもできるので、クオリティとスケジュールのバランスをとる意思決定をしていただきました。一緒に決めていただいたことで、リリースのスケジュールがいよいよ見えてきた瞬間でした。

飛び交うSlackのお祝いスタンプと、アプリのこれから

──申し訳ないことにリリースの瞬間に僕はミーティングをしていたんですよ。リリースはどんな風でしたか?

アプリは審査に出して、それに通るとリリースできるのですが、一度審査に引っかかってしまったので、それを修正して出してみたんです。最小限の対応だったので、それで通るかわからないけれどとりあえず出してみたら通ったので、満を辞してというよりは「お、通った」という感じでした。その後、広報と連携してタイミングを合わせて公開しました。

──リニューアルをSlackで報告したときはすごい数のお祝いスタンプが飛び交っていましたね。

あれは嬉しかったです。坂田さんに「リリースしたら盛大にアピールしてね」と言われていたので、言われた通りさせていただきました。たくさんの人にお祝いスタンプをもらって、ああ本当にリリースできたんだなと実感がわきました。

──これまでを振り返ってみるといかがですか?僕自身は、メンバーが抜けてしまうという予想外のできごとによって思った以上に孤独を味わわせてしまったな、という反省があるんですが。

正直に言えば、想定した大変さの3倍くらい大変でした。フルリニューアルなので、ある程度自由にできるだろうと思っていた部分にすでにバックエンドの仕組みがあったり、認識合わせが思っていたよりも大変だったり。けれど、このリリースを通してアプリに対する理解ができて、アプリ開発の土壌が整ったことが何よりの収穫です。リリースはひとつの成果として嬉しいですが、まだまだやらないといけないこともあると思っています。

──次はさらなるリニューアルですかね。

はい。今回が3.0.0なのですが、3.1.0と、3.2.0でやりたいことはもう決まっていてデザインも走っている状況です。オーナーさんに対して価値を出せるものになるように、今年はさらにがんばっていきます。

(写真・文:出川 光)

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